「感傷肖像」(佐藤春夫):藤田書店がおすすめする詩
摘めといふから
ばらをつんでわたしたら、
無心でそれをめちやめちやに
もぎくだいてゐる。
それで、おこつたら
おどろいた目を見ひらいて、
そのこなごなの花びらを
そつとわたしの手にのせた。
その目は泪ぐんで笑ひ
その口は笑つて頬は泣いてゐる。
表情の戸まよひした
このモナリザはまるで小娘だ。
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摘めといふから
ばらをつんでわたしたら、
無心でそれをめちやめちやに
もぎくだいてゐる。
それで、おこつたら
おどろいた目を見ひらいて、
そのこなごなの花びらを
そつとわたしの手にのせた。
その目は泪ぐんで笑ひ
その口は笑つて頬は泣いてゐる。
表情の戸まよひした
このモナリザはまるで小娘だ。
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